2010年03月09日

宮城の真壁と宮城嗣長

週末は那覇市歴史博物館に行ってきました!! 先日、宮城嗣幸先生より寄贈されました
「友寄開鐘」と「宮城の真壁」を観てきました!!

宮城の真壁と宮城嗣長

「友寄開鐘」
宮城の真壁と宮城嗣長
宮城の真壁と宮城嗣長
宮城の真壁と宮城嗣長

「宮城の真壁」
宮城の真壁と宮城嗣長
宮城の真壁と宮城嗣長
宮城の真壁と宮城嗣長

 歴史を感じる三線でした!! 那覇市歴史博物館で4月7日まで展示されます。

 展示されている三線の隣には、宮城嗣長師の師でもあり、義父でもある松村真信師が編著に
携わった「湛水流工工四」と「欽定工工四」上・中・下巻、拾遺集も展示されていてました。

 師たちの功績を感じました。。。
「宮城の真壁」の制作者でもあり、当会の創始者でもある宮城嗣長師には次のような逸話が
語り継がれています。


「宮城翁と小浜節裁判」

 昔は随分暢気なもので隙さえあれば賭事などをして楽しんだものである。

 或る日、二人の馬車挽が「小浜節は二揚である、否三下げだ!!」と互いにゆずらず、
遂に酒一升を賭けて、当時、与那原で歌の師匠をしていた宮城翁に、その何れが正しいかの
判断を仰いだ。

 翁は・・・。

 「小浜節は工工四には本調子になっている。本調子は音樂の基本になる調子で、この調子
から上げる調子を「揚げ」といい、下げる調子を「下げ」といはれている。

 男絃は一の絃で、この絃を揚げると「一揚」といい、俗に唐ツインダミというている。
 中絃は二の絃で、この絃を上げると「二揚」になる。又、女絃を三の絃というて、これを
下げると「三下」になる。

 お前達の三下は絃が三本下るから三下だ!!
 又、男絃と中絃の二本揚げるから二揚だとかいうているが、学理上は間違っている。
 尚、小浜節に限らず本調子の歌で情歌は二揚調でも歌える。
 この時は本調子の男絃は二揚の中絃に相当し、中絃は女絃に必適する。
 この道理でゆけば本調子の小浜節を二揚で弾くのも間違いではない。
 だが工工四には本調子となっているので二揚だと主張した人は間違いでもないが当たっても
いないのだ。
 又、三下を主張した人も学理上の本調子とお前達のいう三下とは同じであるが学理上の三下
をもあることだから実際上は当たっているようでも、学理上は妥当ではない。

 だからお前達の賭けは当たってもいれば、二人とも間違ってもいるから同番だ。」

 と判決を下し、尚、三味線をとって懇切に調子について実際に指導された。

 翁は更に、

 「賭事は酒に走り、喧嘩口論の原因になるから以後はあまりやらぬようにせよ」と懇々と
論され、処世上の最高の学問である音楽の道に入るよう奨めて帰した。



 宮城嗣長(1861年~1944年、昭和19年)
 国風絲楽三線譜(欽定工工四)編纂者松村真信の高弟、松村直伝の理論一定(イチダミシ)
を現代に伝えている。

宮城の真壁と宮城嗣長

 当会、家元の宮城嗣周師が父嗣長師のことを次のように伝えています。

 「何せ、父は文久元年(1861年)酉歳生まれの古い時代の人で、その友人方も共に、
その頃の方々です。

 琉球最後の国王尚泰の御冠船は父の6歳の頃であったといいます。

 16歳の時、科挙を通って宜野湾御殿に出仕をしていた時に廃藩にあっています。

 御城内は大騒動となり、大和兵隊に追い散らされて、国王警護の武士たちも逃げ失せていなく
なったので、父たち青年達が宜野湾王子の御命令で登城して、王の側近の警護を固め、中城御殿
へお移し申し上げたと言います。

 首里城が大和兵隊に奪い取られた日の歴史の一こまを担いだ人達の話は、私には遠い国の昔々
のその昔の話で、御座の片隅で息をひそめて聞いたものです。

 そのようなお話を恐怖を感じながら聞いたので、昨日聞いたようにはっきりと覚えています。

 目を閉じるとその時の老人たちのお姿が瞼に浮かびます。

 私の父は王朝時代の人なので名前が三つあります。

 童名は松金といい、名乗は宮城嗣長、唐名は孫文傳であります。

 お友達の皆そのようでありました。

 そんな古い人達の古い話を毎日ほども聞いて、時には、ご老人達は同じ話を、また新しく話し
出すこともあって、語られた話はよく覚えています。」


                                                        「耳学問」(嗣周むかしばなし)

 



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Posted by 華氏 at 16:26│Comments(0)先師
 
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