辺野喜節

華氏

2009年11月27日 00:09

辺野喜節碑(国頭村辺野喜)


        

 国頭の山々には夏ともなれば伊集の木の花が、真っ白く咲いて実に涼しげに見えるものです。
 伊集の花は大輪に見えても、菊の花と同じく小さい花が集まって大輪をつくっているもので集合
花です。

 辺野喜喜節は俗に「伊集の木節」という別名で呼ぶことが多い。

 『拾遺集』(百十頁、琉球古典音楽野村流松村統絃会宮城嗣周著発刊「拾遺集」)に伊集の木
節とあるのは、この辺野喜節の元歌ですが、首里化して編曲されたものを「辺野喜節」を呼ぶよう
になっものです。

 尚貞王の御側女に中城村伊集出身の色白の美人がいましたが、王様はこの伊集のアヤーを
すごく愛されて、王妃様もほったらかしにされました。
 でも、王妃様は御上品な方ですがら悋気などなさらずに、ただ伊集のアヤーの美しさに、「私も
あやかりたい」という御歌を詠まれ御心を安じられました。

 その御歌が、この「辺野喜節」になったということです。



                                       宮城嗣周・著「嗣周・歌まくら」より

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